4. バーストレイン
小野眞一と中村一義のタッグによって産まれ落ちたブルーハーツへのオマージュが存分に詰め込まれたシンプル・イズ・ベストなロックンロール。イントロ、ブリッジ、ブレイクに現れるギターとドラムだけで構成されるとてつもなく簡素なフレーズが秀逸。
そう、ブルーハーツ。トレイン・トレイン。中村一義の今までの作品の中のコアな部分で度々見えかくれしていたブルーハーツからの影響。それが、小野眞一というギタリストのコラボレーションを経てさらに明確に、よりリアルに今鳴り響くべき楽曲として生誕。“もう2度とはないよ、今日、過去は絵画なんだ。”
時系列というものは僕らが生活して行く上での基準点を認識するために創り上げられたもの。1日は、ただ地球が1周したことを定義付けることを目的としたもの。それを24分割して1時間とし、それを60分割して1分とし、それを60分割して1秒とする。1年とはただ地球が太陽を1周したことを定義付けることを目的としたもの。それを12分割して約30度周期したときを1ヶ月とする。それが延々と何億年も続けられているだけ。それが歴史。その中で生死が綿々と繰り広げられているということ。そういう目に見える形で僕らは日々を過ごしている。ただそれだけのこと。どこかの誰かが決めたこと。だからなんだ?ということかも知れないが、ようは過去、現在、未来なんてものにこだわることが馬鹿らしいということなのだ。結局は、人が地球という場所に住む為に、人工的に住みやすくするためにそのような尺度が必要となっただけだ。ようは、今、そう、ほんと、この瞬間。今あなたがこの文章に目を通している今、その瞬間の積み重ねで僕らは生きているということを改めて感じ取ってもらいたい。だから、“だから飛び乗んだ。”、“存分に進め。”“最初の連続さ。”、“さあ、泣き、笑え。”。瞬間の積み重ねで歩を進むんだ。だから、だから、みんなのそれぞれの列車に乗ってさあ進め。その瞬間は“もう2度とはないよ”。
サビの部分で宇宙彼方に飛んで行きそうな音階を響かせる池田貴史のシンセ音を聴いた瞬間、ゴダイゴのあれを思い起こしててしまうのは俺だけだろうか?
さあ、行くんだ、その顔を上げて!