3. B.O.K
「A」からの絶妙な繋ぎではじまる、先行シングル「Honeycom.ware」のカップリングとして収録されていた楽曲、「B.O.K」。ここで早速、作曲のクレジットに町田昌弘の名前が出てくる。改めて言う。『OZ』というアルバムは100sのデビューアルバムであり、中村一義の個人の作品では無いということだ。そして、CDを手元に持っている人は是非ブックレットの最後に掲載されている楽曲ごとのクレジットの所に目を通してもらいたい。全ての楽曲に「Head Arranged by〜」という表記がなされている。これはあまり目にしたことが無いクレジットだ。そしてこの楽曲は「Head Arranged by 中村一義、町田昌弘、小野眞一、池田貴史」と書かれている。ようは、作詞&作曲者以外にも100sのアイデアが、イメージが6人の色んな個が様々な楽曲に注ぎ込まれているんだよということが『OZ』収録曲すべてに記載されているのだ。面白い。
“さぁ,1,2,3。”
この楽曲にも出てくるスタートの掛け声。これでもかと僕らを奮い立たせる。町田昌弘特有のポジティブパワーが中村一義の背を押したのか。迷いがあるにはあるが、真っ当に突き進んでやる!という歌詞の勢いがこの楽曲には溢れている。ビートはミドルテンポでどっしりと重いのだが、ぐんぐんと突き進んで行くパワーは尋常じゃ無い。中村一義の『ERA』収録曲「1,2,3」をもっと重く力強くしたかのような楽曲。
“愛、無心、銀河、宇宙。心、銀河、宇宙。心、銀河、宇宙、まだその上へ”
畳み掛けるかのように唄われるサビ部分の歌詞。最初歌詞を見ずに聴いた時“I'm singing out you”とあり得ないような英語詩で唄っているような感覚に陥った。そういう意味でも中村一義特有の日本語詩の言い回しは健在。いや、さらにビルドアップされていると感じる。
“ニューエンブレムは『SONG OF FREE』。”
どれだけ時代が流れても、過去のものとされても、そんな基軸はどうでもいい。そんな意気込みが溢れかえっているからこそ、このような言葉も記すようになった。
“YES! BAD(S) GONNA BE O.K!”
現在進行形のミュージシャンに送る最高のメッセージソング。
そして自分達100sにも送る最高のメッセージソング。